2020年7月3日
貴方の好きな色は何色ですか?
普段あまり色を意識しない方も、いくつかの選択肢を与えられるとつい選んでしまう色があるはず。
人間が識別できる色の数は約100万色と言われています。
その一つ一つの名前を言うことは出来なくても、私たちは古来より色に思いを込め、時には心の状態を色に例えてきました。
~あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る~
(あかね色を帯びている、あの紫の草の野の御料地を行きながら、野の番人は見ていないかしら、あなたが手を振るのを)
飛鳥時代に作られた日本最古の和歌集「万葉集」
額田王(ぬかたのおおきみ)が読んだ、秘めた恋にも色が付けられています。
あそこに悲しく灰色をした、ちょうど私の心のような、古い館が立っている。
そこの荒れ果てた中庭へ雨が降ると、 花びらを散らしたり腐らせたりするその重たい雫しずくの下で 罌粟けしの花がうなだれるのだ。
詩集『暁の鐘から夕べの鐘まで』より~あそこに悲しく灰色をした~
フランシス・ジャム
フランスの詩人、フランシス・ジャムは物悲しげな心の様子を色に例えました。
このように、色は時として見る人の心に大きな影響を与え、恋愛の高揚感や老いの哀愁まで容易に想像させるのです。
色の持つパワーを使い、人間が元来持つ免疫力や治癒力を高める治療は、古代エジプトの時代から用いられてきました。
1878年に医師のエドウィン・D・バビットが出版した彼の代表作『光と色の原理』では、停滞しているものは赤色で、炎症や精神的に不安定な状態には青色で、緩下剤としての働きには黄色で治療するよう述べられています。
医学の進歩した現代でも、色彩療法や色彩心理学は多方面で活用され、私たちの生活に深く根付いているのです。
誰にでも「こうなりたい」、「こうでありたい」という願望は少なからずあるかと思います。
そんな時、色があなたの助けになるかもしれません。
一息つきたい時に使うティーカップや、お部屋を優しく照らすテーブルランプ、一日の疲れを癒してくれる寝室のカーテン…
自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出すはじめの一歩を踏み出しましょう。
色で暮らしに彩りを加えてみませんか?
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